筋交いが入りました!

2023年1月3日火曜日

改修工事

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 現場では基礎・束石の据え付け工事が完成し、いよいよ新しい部材の組み立ての段階に入りました。

次の段階として建物の構造を担う金物や筋交い等の構造補強工事に入りますが、その前にある程度床が完成していた方が作業効率が良いということで、八畳二間の床組みが先行して進みました。


八畳二間の床組み


そして、土壁だった部分に筋交いが入りました。


筋交いの入った百年亭

百年亭のような建物は現代の建物のように「硬く」なく、揺れた際に柱梁の仕口がめり込み、土壁が崩れていくことで揺れの力を吸収する、「柔らかい」構造になっています。

「柔らかい」こと自体は構造的にはとてもよいこと(急激な破壊が起こらないため)ですが、一度壊れた土壁はより大きく揺れなければ力を発揮しなくなりますし、建物を使う上では問題もあります。

元々の百年亭がそうであったように、足元の不同沈下だけでなく、土壁が壊れ、少ない壁で揺れに耐えていた百年亭は、少しずつ歪んでいました。


改修前の土壁


今回入れた筋交いには、建物が揺れに耐える以外にも、歪みから守るという効果もあります。

壁の幅を大きくとれる北面は、なるべく全面に力を分散するように、強度の低い筋交いを、多く入れています。


北面の筋交い


押入と床の間の間は、その方向で取れる壁の幅がそこしかないために、強い筋交いを交差して入れています。


交差した筋交い

筋交いの強度(交差にするかどうかなど)は、現在の基準に則って、土壁よりもより安全になるように計画をしています。









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